「信頼口座」に貯める

用語解説

信頼口座

銀行の預金口座がどのようなものかは、誰でも知っている。お金を入れれば残高が増え、必要なときにお金を引き出せる。それと同じように、人と人の関係で生まれる信頼を貯めておくことを銀行の口座にたとえて、信頼口座と呼ぶことにしよう。それは人間関係における安心感である。
私があなたに対して礼儀正しく接し、親切にし、約束を守れば信頼口座の残高は増える。残高が多くなればなるほど、あなたは私を信頼してくれるから、私は必要なときにいつでも、あなたの信頼を頼ることができる。何か失敗をしても、私に対するあなたの信頼レベルが高ければ、つまり信頼残高が多ければ、それを引き出して補うことができる。私の言葉に足りないところがあっても、あなたは私の言いたいことを察してくれるだろう。たった一言で仲たがいする心配はない。信頼口座の貯えが多ければ、コミュニケーションは簡単に、すぐに効果的になる。
(7つの習慣 P.258)

「信頼」という金や物に変わるものがあり、それは対人対応で貯金と引き出しが行われている。
無礼だったり、約束を守らなかったりすると、関係を維持するために信頼を自分の口座から引き出し、相手に渡すことで関係が維持される。貯金が減ってきたら、相手は自分の残高を探り、ギスギスしたものになる。
信頼がゼロ、マイナスになってしまうと、信頼を担保に関係性を維持することができない。これ以上、まずい事態にならないよう、あくせくしないと関係は維持できなくなる。

この信頼口座への貯金。
いちどにドカッといきません。些細なこと、ちょっとした気遣い、約束を守るといったことを、コツコツためるしかない。いわば、10円玉貯金だ。
相手がまったく反応しなくてあたりまえ、10円玉貯金なので、インパクトないから。
この貯金は「自分が困ったときに、頼れる最大の資源」となります。

●信頼口座を増やす6つの預け入れ

では、何をしたら預け入れになるのか、7つの習慣では6つを紹介しています。

・相手を理解する
・小さなことを気遣う
・約束を守る
・期待を明確にする
・誠実さを示す(その場にいない人に対して忠実になる)
・引き出してしまったときには心から謝る

特に、相手を理解すること(理解を寄せようとする態度)、失敗したときにキッチリ対応すればプラスに転じるということを挙げておきたい。
誠実さの示し方はいろいろありますが、下世話にいうと人の陰口・噂話をしない、乗らないということ。

これをやれば、信頼はチャリンチャリン貯まる。
やばいときには、貯まった信頼口座を思い切って頼ろう。